【北京時事】中国で30日、労働節(メーデー)の5連休が始まった。本来は観光の書き入れ時だが、北京では新型コロナウイルスの市中感染が拡大。当局は移動制限や大人数が集まるイベントの自粛を呼び掛け、まん延防止に神経をとがらせている。
 北京市は30日、午後3時までの24時間に無症状を含め67人の新規感染者が確認されたと発表。22日以降の感染者の累計は300人近くとなった。市内全域で住民のPCR検査を行っており、感染者の確認を受け、マンション単位の封鎖が相次いでいる。
 市当局は連休を前に、不要不急の市外への外出を控え、「その場で過ごす」よう呼び掛けた。市内でも多くの場所で48時間以内のPCR陰性証明が必要となり、人の密集を避けるため、映画館は営業を停止。5月1日から開催予定だった日中国交正常化50周年記念の写真展も延期となった。
 30日には新たな措置として、連休中の店内での飲食禁止が発表された。相次ぐ対策強化に市民からは「家で隔離されているのと一緒」「連休が台無し」などと不満の声が上がっている。
 中国交通運輸省は、連休の旅客数を前年同期比6割減と予測している。共産党機関紙・人民日報系の環球時報英語版は最近の感染拡大について「コロナで苦しむ業界にとっては新たな打撃だが、感染対策の取り組みが最優先だ」とする専門家のコメントを掲載。別の中国紙も社説で「我慢と忍耐は一時的だ。状況が好転すれば楽しく集まる日々が戻ってくる」と理解を促した。
 経済、社会活動への影響が指摘される中、習近平指導部は、感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を堅持している。国家衛生健康委員会の梁万年・専門家チーム長は29日の記者会見で、「コロナとの闘いは総力戦、阻止戦、さらには人民戦争だ」と強調。ゼロコロナ政策は経済発展や正常な市民生活と「対立関係ではない」と主張し、「ウイルスこそが経済の足を引っ張る元凶であることを認識しなければならない」と訴えた。 (C)時事通信社