【ニューヨーク時事】米株式市場への逆風が強まっている。連邦準備制度理事会(FRB)が高インフレ抑制のため、積極的に利上げを進める構えを見せると、景気後退への懸念が台頭。代表的指標のダウ工業株30種平均の29日終値は前月末比1700ドル余り値下がりし、下落率は約5%に達した。ウクライナ危機の長期化や中国での新型コロナウイルスの感染拡大も、景気への不安に拍車を掛けている。
 FRBは5月3、4日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、通常の2倍となる0.5%の大幅利上げと、量的緩和で膨らんだ総資産の圧縮開始を決める見通し。インフレ率が「あまりに高すぎる」(パウエル議長)として、さらに利上げを進める方針で、急速な金融引き締めを織り込んだ債券市場では金利が一段と上昇した。
 ただ、「インフレ退治」に躍起となり、過度に金融引き締めを進めれば、景気後退を招きかねない。米銀エコノミストは、「インフレが高止まりすれば、FRBは景気を犠牲にしてでも利上げせざるを得なくなる恐れがある」と指摘する。
 また、金利が上がると株式は投資先としての魅力が薄れることから、急激な金利上昇は株式相場の重荷となる。特に将来の成長期待で上昇してきたハイテク株は割高感が強まり、売られやすい。
 ハイテク株中心のナスダック総合指数は4月に約13%安となった。下落率は、リーマン・ショック直後の2008年10月以来13年半ぶりの大きさだ。コロナ流行下の「巣ごもり需要」で成長してきたインターネット通販大手アマゾン・ドット・コムや、動画配信大手ネットフリックスの業績悪化も、相場を下押しした。
 米株式相場は、金融政策や景気の動向をにらみつつ、「しばらくは不安定な動きが続く」(日系金融機関)との声が出ている。 (C)時事通信社