家族の世話や介護を担う子ども「ヤングケアラー」の問題で、ケアラーの経験がある大学3年生の半数近くが就職に関する不安を抱えていることが厚生労働省の調査で分かった。世話のため勤務地や勤務時間が限られるなど、仕事と両立できるか悩んでいる学生が多く、大学に相談の受け皿の整備などを求める声が上がっている。
 厚労省は昨年12月~今年1月、ヤングケアラーの問題に関連し、大学3年生にインターネットでアンケート調査(全国約30万人が対象)を実施。9679人が回答した。
 世話をする家族が「現在いる」と答えたのは6.2%、「現在はいないが、過去にいた」は4.0%で、世話の経験がある学生は合わせて987人だった。
 このうち就職への不安を示したのは「特にない」(54.9%)を除く半数近くに上った。不安に思う内容を複数回答で聞いたところ、「正社員として就職できるか不安」(13.9%)が最も多く、「通勤できる地域が限られる」(13.4%)、「休まず働けるか不安」(11.4%)、「就職先について考える時間がない」(7.8%)、「働ける時間帯が限られる」(7.0%)などとなった。
 平日1日に家族の世話にかける時間が7時間を超えている学生は6.4%。世話が大きな負担となり、進路の選択に影響している可能性が浮かび上がった。
 調査に関わったヤングケアラー協会の宮崎成悟代表理事は「就職活動をする前で、何が不安なのか分からない学生もいる」と指摘。ケアラーの経験がある宮崎氏は、自らの大学時代を「昼夜を問わず難病の母親の介護をしており、就職活動は大変苦労した」と振り返る。全国転勤のある医療機器メーカーに入社したが、事情を理解してもらえず、3年で退社したという。
 宮崎氏は「当時は若者が介護をしている実態を信じてもらえなかった。ヤングケアラーが周知されつつある今、企業や大学に理解や認識を持ってもらうことが大事だ」と話した。 (C)時事通信社