個人向け国債が2003年3月の発行開始から20年目を迎えた。ピーク時に年間7兆円超を発行したが、新型コロナウイルス禍で対面販売の機会が減り、ここ数年は3兆円前後に低迷。財務省はインターネット交流サイト(SNS)を活用した情報発信に取り組むなど試行錯誤を続けている。
 個人国債の発行は、販売先を機関投資家以外にも広げることで安定的に国債を消化する目的で始まった。金利タイプには変動型(期間10年)と固定型(同3年・5年)がある。
 発行額は05年度の7.2兆円が最高で、その後は金利が低下したことで急減した。しかし、金利の設定方法や発行ペースなどを見直したことで、19年度には5.2兆円まで戻していた。
 若年層の認知度が低い傾向にあり、SNSにも力を入れてきた。11年度にツイッター、その後にフェイスブックの活用を始め、20年度には無料通信アプリ「LINE(ライン)」や、写真共有アプリ「インスタグラム」にも手を広げた。
 こうした矢先、コロナ禍が直撃。販売窓口となる金融機関での対面営業などが減り、個人向けの発行額は20年度に3兆円、21年度に2.9兆円まで落ち込んだ。
 同省はコロナ前の水準への回復を目指すが、投資家には投資信託など幅広い選択肢があり、巻き返しは容易ではない。担当者は「元本割れしないことや0.05%の最低金利保証があることなど、商品の魅力を引き続き伝えていきたい」と話す。 (C)時事通信社