「財界総本山」の経済団体連合会(旧経団連)と、「財界労務部」と呼ばれた日本経営者団体連盟(旧日経連)が2002年に統合し、日本経済団体連合会(経団連)が発足してから28日で20年を迎える。労働分野での取り組みは、岸田文雄首相が「新しい資本主義」の実現に向け「成長と分配の好循環」を掲げたことから重要性が一段と増した。賃上げや社会保障改革と山積する課題で成果を出せるか、統合の真価が改めて問われる。
 ◇バブル崩壊、再編契機
 1996年以降の橋本龍太郎政権下で進んだ行政改革。縦割り行政の打破や政治主導に向け、中央省庁は2001年に1府12省庁へと再編。バブル崩壊、金融危機と続く日本経済の長期低迷で大企業にも再編・淘汰(とうた)の荒波が押し寄せる中、財界再編の機運はおのずと高まっていた。
 今井敬経団連会長(当時)と、奥田碩日経連会長(同)がひそかに協議を重ね、00年に統合発表にこぎ着けた。統合事務局を務めた経団連の久保田政一現事務総長は「東西冷戦が終わり、(戦後の)ぶつかり合いのような激しい労働闘争も収束。経団連としても労働政策や社会保障で発信力を高める必要があった」と統合は時代の要請だったと当時を振り返る。
 ◇人への投資、成長の源泉に
 統合から20年。経団連は、コロナ禍への対策や原発再稼働を含む脱炭素戦略に加え、賃上げや働き方改革などで発言する機会が増えた。岸田政権と足並みをそろえ「人への投資」は「分配」だけでなく「成長」の源泉になるとの立場を取る。人件費を単なるコストではなく、将来への投資と捉える発想転換を進める。
 ただ実質賃金の伸び率はほぼ横ばいだ。家計への分配が進まないため国内総生産(GDP)の約5割を占める個人消費は盛り上がりを欠き、日本経済は成長軌道に戻れないのが実情だ。
 十倉雅和現会長は「全世代にサステナブル(持続可能)な社会保障(制度)にならないと、いくら賃上げをしても消費に回らない」と指摘。成長と分配の好循環実現には、専門性を高めた「ジョブ型」雇用の推進や若者の将来不安を払拭(ふっしょく)する社会保障改革が必要と訴える。 (C)時事通信社