岸田文雄政権が看板政策に位置付ける経済安全保障推進法が11日の参院本会議で可決、成立した。米国と中国の覇権争いに加え、ロシアのウクライナ侵攻で地政学リスクが高まる中、半導体といった戦略的に重要な物資のサプライチェーン(供給網)を強化するなど4分野で体制を整える。
 推進法は「供給網強化」のほか「基幹インフラの事前審査」「先端技術の官民協力」「軍事転用可能な機微技術の特許非公開」の4分野が柱。基幹インフラ設備の虚偽届け出などに対し、2年以下の懲役や100万円以下の罰金といった罰則を定めた。2023年度以降、段階的に施行する。
 供給網強化では、半導体や医薬品、先端電池、レアアース(希土類)など重要鉱物を政省令で「特定重要物資」に指定し、金融・財政支援策を講じる。基幹インフラについては電気、航空、金融など14分野のシステムを事前審査し、安保上の脅威となる外国製品の導入を防ぎサイバー攻撃対策の強化を促す。
 人工知能(AI)や量子といった先端技術は「特定重要技術」に定め、官民の研究開発環境を整える。また核兵器開発などへの軍事転用の恐れがある技術の特許は、防衛省の担当者らの審査を経て非公開とする制度を導入する。 (C)時事通信社