新型コロナウイルス対策の一つである子どものマスク着用について、東京都医師会が見直しを提言し、注目を集めている。国内感染が3年目となる中、マスクで表情を読み取りづらく、けんかが増えるといった発達への影響が出始めているため。都内の自治体では、抗原検査とセットでマスクを外す独自の取り組みも進むが、小池百合子知事は国が統一見解を明示するよう求めている。
 政府は2月、自治体に対し、保育所での園児のマスク着用について「一律には求めていない」と通知。特に2歳未満には「着用を勧めない」としたが、「分かりにくい」との声も出ていた。
 都医師会は今月10日、保育所や幼稚園の外遊び、学校の体育や部活動、山や海でのレジャーといった具体的な場面を挙げ、「一定の距離を保てる屋外ではマスクを外す」ことを提案。特に、子どもについては、感染状況を見ながら、今夏に向けて段階的に緩和するよう要請した。
 子どもの感染対策に詳しい小児科医の川上一恵氏(都医師会理事)は、コロナ禍でマスクの着用が続いたことで、「喜怒哀楽が分からず、友達とのけんかが多くなったという事例が幼児から小学校低学年の児童で増えている」と指摘する。
 マスクに加え、厳しい活動制限は子どもたちの気力も低下させている。川上氏によると、東京都渋谷区立のある小学校では、鼓笛隊の活動が停止され、卒業間際に再開したものの、感染を怖がって管楽器を強く吹けない児童も多かったという。
 こうした中、東京都墨田区で7日に開かれた「わんぱく相撲」で、区は参加した約250人の子どもたちに会場で抗原検査を受けてもらい、陰性を確認した上で、「マスク着用は不要」と呼び掛けた。ただ、実際に外したのはわずか2割程度。区保健所は「保護者にはまだ不安が大きいようだ」としている。
 小池知事は13日の記者会見で「国民の多くが非常に関心を持っている。科学的知見とともに、どうすればコロナ対策として有効なのか、統一的な形で情報発信してほしい」と政府に訴えた。 (C)時事通信社