【北京時事】中国名門の北京大で、新型コロナウイルス対策として敷地内に柵が設置されたことに、学生らが抗議する騒ぎがあった。香港紙・明報が17日、報じた。柵は既に撤去されたが、当局は不満の高まりや抗議の動きに神経をとがらせている。
 同紙によれば、15日夜に事前通告なく柵の設置作業が始まり、約1000人の学生が住む寮区と教員側の区域が隔てられた。学生が食堂やデリバリーを利用できず、行動範囲が大きく制約される一方、教員とその家族は自由に移動できることから「不公平だ」という声が噴出したという。
 インターネット上には、多数の学生が屋外に集まり、大学当局とにらみ合っているとされる動画が投稿された。民主化要求を軍が武力弾圧した1989年の天安門事件でも、北京大の学生は大きな役割を果たした。事件から33年となる6月4日を控え、当局は警戒を強めるとみられる。 (C)時事通信社