山口県阿武町が新型コロナウイルス対策の10万円給付事業で誤って1世帯に4630万円を送金した問題で、返還を拒んでいる男性(24)が「カジノで全額使った」と周辺に話していたことが17日、関係者への取材で分かった。
 男性の代理人弁護士は16日に記者会見し、男性は現在、送金された金を所持していないと説明。「財産的価値のあるものが手元に残っていない」と述べ、返還は困難との見方を示した。
 関係者によると、男性は周囲に対し「金を海外のネットカジノ数社で使った」「全額を使った」などと話している。誤送金の当日から男性が金を動かし始めたとする町側の説明も認めているという。
 町は12日、金の返還を求めて山口地裁萩支部に提訴するとともに、男性の実名を公表した。
 阿武町の花田憲彦町長は取材に対し、「諦めるような気持ちは全くない。引き続き公金の回収に向け全力を尽くす。弁護士と相談し、刑事告訴も視野に検討している」と話した。 (C)時事通信社