国の新型コロナウイルス対策の持続化給付金をめぐる詐欺事件で、谷口光弘容疑者(47)がリーダー格とされるグループは、不正受給させた給付金の一部を名義人から受け取り、グループ内で分配していたとみられることが23日、警視庁捜査2課への取材で分かった。
 同課は、グループが「手数料」の名目で報酬を受け取っていたとみて詳しい金の流れを調べる。
 同課によると、グループは、谷口容疑者の一家4人を含む中核メンバー十数人と、全国で約15チームに分かれた勧誘役40人超で構成されていた。インターネット交流サイト(SNS)やセミナーを通じ、「誰でも金がもらえる」とうたって名義人を集め、確定申告書の偽造やオンライン申請など役割を分担していた。
 多くの名義人は給付金100万円を不正受給すると、手数料名目で勧誘したメンバーに手渡しなどで報酬を支払っていた。谷口容疑者の取り分は15万~20万円で、残りを他のメンバーで分配していたとみられる。
 名義人が払う報酬は、多くの場合15万~40万円だったが、人によって幅があったとみられ、全く払わなかったり、受給額の9割を渡したりした人もいたという。
 グループは、2020年5~9月、36都道府県で名義人を勧誘し、約1780件の虚偽申請をして約10億円の不正受給に関わったとみられている。 (C)時事通信社