【ワシントン時事】米連邦最高裁は24日、人工妊娠中絶を「憲法上の権利」と認めた1973年の判例を覆す判断を下した。半世紀にわたり保護されてきた女性の権利を否定する判決は、米社会に大きな衝撃を与えそうだ。
 訴訟では、妊娠15週以降の中絶を禁止する南部ミシシッピ州の州法の合憲性が争われていた。73年の「ロー対ウェイド判決」について最高裁は「憲法は中絶の権利を与えていない」と断言。「中絶を規制する権限は国民と国民に選ばれた議員に戻される」と指摘した。
 司法の最終判断により、今後中絶を認めるか否かは各州に委ねられることになる。中絶の権利を支持する米団体「グットマッカー研究所」によると、全米で26州が一定の条件下で中絶を禁じる州法を準備。こうした州に住む女性は、別の州の医療機関に移動する経済的コストを被るほか、州によっては訴訟を起こされるリスクもある。
 中絶は、米国内で女性の自己決定権を重視する支持派と、胎児の生命を重んじる反対派が長年にわたって激しく対立してきた。女性の選択の自由を支持するバイデン政権は中絶の権利の法制化を目指しており、11月の中間選挙で争点化する構えだ。 (C)時事通信社