千葉市立海浜病院(同市美浜区)は29日、昨年7月に全身麻酔で行われた手術中に、医師資格のない臨床工学技士が皮膚の縫合行為を行っていたと発表した。病院は今年3月、患者に謝罪し、同4月に執刀医と技士を訓告処分にした。患者の体への影響はないという。
病院などによると、昨年7月、患者の体内に埋め込まれたペースメーカーのバッテリーなどを交換する手術で、傷口を閉じる際、技士が針を複数回抜き刺ししたという。
今年1月、市に匿名の情報が寄せられ問題が発覚。執刀医は病院側の聞き取りに対し、「技士も皮膚の縫合が可能と勘違いし、教育の目的で行わせた」などと説明しているという。
医師法は医師資格を持たない者の医療行為を禁じているが、病院側は違法性について「患者に実害がなく、弁護士など有識者に相談した結果、刑事罰の対象にはならないと意見をいただいた」と釈明。吉岡茂院長は「技士が業務範囲を超えた医療行為を行ったことを、当院として非常に重く受け止めている」と謝罪した。 (C)時事通信社
医師資格ない技士が縫合=手術中、市立病院で―千葉

(2022/06/29 18:21)