【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮中央通信は1日、同国での新型コロナウイルス感染について、4月初めに韓国との軍事境界線に近い江原道金剛郡の野山で「見慣れない物」に接触した住民2人から全国に広がったと報じた。ウイルスが「韓国発」だと主張する狙いがあるとみられる。
当局が「風や風船で運ばれる見慣れない物」への警戒を強めるとも報じた。韓国の脱北者団体が北朝鮮に向け、ビラや薬などを付けて飛ばす風船を意識している可能性がある。北朝鮮はビラ散布に強く反発している。
韓国の脱北者団体「自由北韓運動連合」は4月25、26の両日に大量のビラを北朝鮮へ飛ばしたと発表。6月には薬やマスクを飛ばしていた。
韓国統一省の報道官は7月1日の定例会見で「ビラなどを通じた北側へのウイルス流入はないとみている」と反論。北朝鮮の主張する「見慣れない物」との接触がビラ散布より早い時期である上、物体の表面に付着したウイルスによる感染は事実上あり得ないというのが、世界保健機関(WHO)や専門家の見解だと強調した。 (C)時事通信社
新型コロナ「軍事境界線付近から」=韓国のビラ風船意識か―北朝鮮
(2022/07/01 11:42)