全国健康保険協会は1日、中小企業の従業員らが加入する健康保険(協会けんぽ)の2021年度決算見込みが2991億円の黒字だったと発表した。黒字は12年連続。新型コロナウイルスの影響で前年度に特例猶予された分の保険料が上乗せされたことや、被保険者の平均賃金が増えたことで、保険料収入を押し上げた。
ただ、支出では、コロナ禍を理由に患者の受診控えが起きた前年度の反動で、同協会が医療機関に支払う加入者1人当たりの医療給付費が前年度比8.6%増加。このため、収入から支出を差し引いた黒字額は前年度(6183億円)から半減した。
保険料を含めた収入は同3.4%増の11兆1280億円。支出は同6.7%増の10兆8289億円だった。
一方、後期高齢者医療制度を支えるための支援金は2兆1596億円。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となっていく影響で、25年度には2兆5900億円に拡大すると見込まれ、同協会は「財政状況は楽観を許さない」としている。 (C)時事通信社
協会けんぽ、2991億円黒字=加入企業の賃金アップ―21年度決算

(2022/07/01 15:06)