財務省が5日発表した2021年度の国の一般会計決算概要によると、22年度へ繰り越された額が22兆4272億円に上った。新型コロナウイルス対策のため規模優先で巨額予算が組まれ、執行が遅れたことなどが原因。年度内に予算を使い切る「単年度主義」の原則を守れなかった格好だ。繰越額は、過去最大の約30兆円に膨らんだ20年度決算に次ぐ規模となる。
 21年度予算はコロナ対応の長期化を受け、当初予算と補正予算を合わせた歳出総額が142兆5992億円に膨らんだ。繰越額が大きかった主な事業は、公共事業関係(4兆円強)のほか、飲食店の営業時間短縮などに伴う協力金(3.6兆円)、コロナ禍で減収に陥った中小企業向けの「事業復活支援金」(2.3兆円)など。 (C)時事通信社