【北京時事】中国で新型コロナウイルス感染が再び拡大している。感染力が強いとされるオミクロン株の別系統「BA.5」が北京市や陝西省西安市で確認され、両市とも感染対策を強化。6月にロックダウン(都市封鎖)を解除したばかりの上海市でも、市内の1000万人以上を対象にした大規模なPCR検査を実施するなど、当局が警戒を強めている。
 北京市では5日に報告された感染者3人が「BA.5」と確認された。4~6日の新規感染者の累計は10人程度だが、11日からはワクチン未接種の人は博物館や映画館、ジムなどに入れなくなる。一方、市当局は感染経路がほぼ特定できているとして「今回の流行は制御可能だ」という認識を示した。市民の間で不安が広がるのを警戒しているとみられる。
 人口約1300万人の西安市でも「BA.5」の確認を受け、6日から1週間、行動制限を導入。店内飲食を禁止したほか、カラオケ店やバー、映画館などの営業を停止した。上海市では5日から3日間、市内の多くの地区で住民のPCR検査を実施した。6日には54人の新規感染者が確認され、ロックダウンへの「逆戻り」が懸念されている。
 このほか、6日には安徽省で約160人、江蘇省で約60人の新規感染者を確認。習近平指導部が進める厳格な「ゼロコロナ」政策の下、各地で感染抑え込みに向けた行動制限が続きそうだ。 (C)時事通信社