新型コロナウイルスの感染「第7波」が猛威を振るう中、政府が若者を対象とした3回目のワクチン接種の促進に躍起になっている。10~30代の接種率の低さが感染拡大を加速させているとの分析からだ。政府はまん延防止等重点措置などを極力避ける方針で、感染抑制への妙手がほかに見当たらないことも背景にありそうだ。
 「若い方でも重症化したり、症状が長引いたりする可能性がある。家族、友人、高齢者など大切な方を守ることにもつながる。できるだけ早い3回目接種をお願いする」。松野博一官房長官は20日の記者会見で、若者にこう呼び掛けた。
 3回目の接種率は19日現在、62.3%。90代と80代は94.5%に達している。ただ、若くなるに従って接種率は低くなり、30代は50.7%、20代は46.9%、10代は32.4%にとどまる。若者の重症化率の低さが影響しているとの見方が強い。
 一方、全国では若者を中心に感染拡大に歯止めがかからず、20日には国内の新規感染者が過去最多を更新した。ただ、政府は15日改定の基本的対処方針に「新たな行動制限を行うのではなく社会経済活動をできる限り維持する」と明記しており、未接種者への呼び掛け以外に「打つ手がない」(首相周辺)のが実情だ。
 政府は18日、岸田文雄首相が若者に協力を訴える動画をインターネットで公表。若者の接種率をグラフで示しつつ、「皆さまのワクチン接種で救われる命があります」と接種の重要性を説いた。
 厚生労働省はホームページ上に若年層の接種を促すリーフレットを掲載。首相官邸のツイッターでの情報発信も強化し、リツイート(再投稿)による拡散を自治体に依頼している。
 もっとも、若者の3回目接種は、政府による再三の要請にもかかわらず停滞。政府関係者は「未接種者の気持ちが首相の呼び掛けで変わるとは思えない」と手詰まり感をにじませる。首相周辺からは「もっと若者にアピールできる方法を考える必要がある」との声も出ている。 (C)時事通信社