【ニューヨーク時事】アメリカン航空など米航空大手3社の2022年4~6月期決算が21日、出そろった。旅行需要の回復により、純損益は3社とも3四半期ぶりに黒字転換した。ただ、原油高を背景にした燃料費の上昇が利益を圧迫。人手不足による輸送能力の制限は続いており、新型コロナウイルス危機前の状況には戻っていない。
営業収入は、3社とも新型コロナ前の19年同期の水準を上回った。アメリカンは、前年同期比80%増の134億2200万ドル(1兆8400億円)と四半期として過去最高。出張などのビジネス需要も回復し、国内線が好調のほか、欧州や南米向けを中心に国際線も増収だった。
デルタ航空のバスティアン最高経営責任者(CEO)は「需要は堅調を維持しており、旅行や出張の回復が着実に進んでいる」と自信をみせる。
一方、燃料費や人件費などのコストが増加し、利益を圧迫。ユナイテッド航空では、燃料価格が平均1ガロン当たり4ドルを超え、コロナ前から2倍近くに上昇した。5月の連休には、需要の急回復にパイロットや客室乗務員が足りず、欠航が相次ぐなどの混乱が生じた。人材養成にも時間がかかり、年内は輸送能力の制限が続く見通し。
ユナイテッドのカービーCEOは「人手不足など運営上の課題、燃料価格高騰、景気後退懸念というリスクに直面している」と憂慮した。 (C)時事通信社
米航空大手3社、3四半期ぶり黒字=旅行需要回復で―4~6月期
(2022/07/22 08:21)