ビアガーデンの営業再開に新型コロナウイルス流行の「第7波」が影を落としている。記録的な猛暑で始まった7月、当初は連日活況を見せていたが、感染急拡大で予約キャンセルがじわりと増加。店側は感染対策を徹底し、屋外で開放感を味わってもらおうと懸命にアピールしている。
 東京都心で自然を感じながら生ビールを楽しめる「森のビアガーデン」。国内の新規感染者が急増した22日夜も会社員らでにぎわった。30代女性は「行動制限を求められていないのに過度な自粛は良くない」と話した。
 この店は、席数削減やスマートフォンによる注文システムの導入など感染対策を講じた上で、今春から2019年以来3年ぶりに営業を再開。週末のピークタイムの予約は、8月末まで埋まっているという。
 しかし、感染急拡大でキャンセルも出始めた。運営するロイヤルフードサービス(東京)は「安心・安全を第一に対応する」(広報)と対策に細心の注意を払う。
 大阪市にある「サントリービル屋上ビアガーデン」も7月1日から3年ぶりに営業を再開。初日から3日間は連日満員だったが、悪天候もあり客足は鈍りがち。「安心して楽しんでもらうため感染対策を一層徹底する」(広報)方針だ。
 「アゴーラ福岡山の上ホテル&スパ」(福岡市)のビアガーデンでも最近はキャンセルが増え始めた。検温や消毒に加え、ビュッフェ形式の料理を取る際には手袋の着用を求めているが、支配人は「席数をさらに減らす必要があるかもしれない」と気をもんでいる。 (C)時事通信社