国内で感染者が初確認されたサル痘は、根絶された天然痘に似た感染症だ。人から人への感染はまれで、新型コロナウイルスのような大規模な市中感染が起きる恐れは小さいとされる。多くの場合は重症化せず自然回復するため、冷静な対応が求められる。
 国立感染症研究所などによると、サル痘はサル痘ウイルスへの感染で起きる急性発疹性疾患。1958年に研究用のサルから見つかり、70年にはコンゴ(旧ザイール)で人への感染が初報告された。
 自然宿主はアフリカに生息するリスなどのげっ歯類とされ、ウイルスを持つ動物にかまれた場合などに感染する。人から人には、感染者の発疹との接触や近距離からの飛沫(ひまつ)、感染者が使った寝具などを介してうつることがある。
 ただ、今年5月以降の欧米を中心とした広がりは「これまでの知見と異なっている」(厚生労働省)とされ、男性間の性交渉で感染した例もあるという。
 感染研は「早期の患者発見と接触者の追跡で感染の連鎖を絶つことが可能だ」と指摘し、爆発的な感染拡大の危険性は低いとみている。東京慈恵会医科大の浦島充佳教授(予防医学)は「現時点での死亡リスクや感染力の低さを考えると、過度な心配は不要だ。日常生活のあり方を変える必要はない」として、冷静な対応を呼び掛けている。 (C)時事通信社