山際大志郎経済財政担当相は29日の閣議に、2022年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。新型コロナウイルス感染拡大による経済の落ち込みから回復が続く一方、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で物価が高騰していると分析。インフレと景気悪化が同時に起きる「スタグフレーション」の状態にはないとの判断を示しつつ、物価上昇に見合った安定的な賃金引き上げが重要と訴えた。
物価については、全国消費者物価指数(生鮮食品を含む総合)の伸び率が5月に前年同月比2.5%となるなど上昇傾向にあるものの、欧米に比べれば上昇圧力は弱いとも指摘。企業収益が好調で個人消費も持ち直していることからスタグフレーション状態にはないとした。その上で、今後もスタグフレーションやデフレに陥らないようにするため、官民挙げて賃上げに取り組む必要性を強調した。 (C)時事通信社
物価高に見合う賃上げ重要=スタグフレーションは否定―経財白書
(2022/07/29 10:17)