岸田文雄首相の周辺で、新型コロナウイルスへの感染が相次いでいる。政府は2日、政務担当の山本高義首相秘書官の感染を発表。首相官邸では先に感染した松野博一官房長官が同日から公務に復帰したばかりだが、首相秘書官3人目の感染に、首相周辺は「首相にうつると公務に支障が出かねない」と神経をとがらせている。
 7月23日に陽性が判明し療養していた松野氏は2日の記者会見で「随時、報告や相談を受け判断を行ってきた。必要に応じ、官房副長官などに代理として業務を行っていただいた」と述べ、執務に支障はなかったと強調した。
 一方、首相秘書官では7月27日に感染が分かった財務省出身の宇波弘貴氏に続き、31日には元経済産業事務次官で筆頭秘書官の嶋田隆氏も陽性が判明。嶋田氏は首相の米ニューヨーク訪問への同行を見送った。首相と共に訪米した山本氏は、現地で感染が確認された。
 いずれも、首相は濃厚接触者に当たらないといい、松野氏は「適切な感染対策を行っていく」と説明した。ただ、3~5日の日程で臨時国会が開かれる。6日に広島原爆忌、9日には長崎原爆忌も控えており、首相は感染対策に気を使いながらの公務となる。 (C)時事通信社