糖尿病患者は非糖尿病患者に比べ骨折しやすいことが報告されている。骨吸収を阻害するビスホスホネート(BP)製剤は骨粗鬆症の第一選択薬の1つとされるが、糖尿病性骨粗鬆症における骨細胞増殖および骨形成に対する分子メカニズムはいまだ不明である。そこで、中国・Tongji UniversityのBeifang Weng氏らは、糖尿病性骨粗鬆症患者60例を対象にBP製剤の有効性を検討。その結果、糖尿病性骨粗鬆症においてBP製剤は治療効果が高く、骨細胞増殖および骨形成を改善することをComput Math Methods Med2022;2022:2368564)に発表した。

カルシウムサプリをベースにBP製剤を投与

 対象は、2019年2月~21年4月に同大学のShanghai East Hospitalに入院した糖尿病性骨粗鬆症患者のうち、年齢が40〜50歳、空腹時血糖値が126mg/dL以上または食後あるいは随時血糖値が200mg/dL以上、骨密度(BMD)のTスコアが−2.5以下を満たす60例。

 カルシウムサプリメントを1日1回(0.6g)投与する対照群とカルシウムサプリメントをベースにゾレドロネート5mg/100mLを1日1回点滴静注するBP製剤群に1:1でランダムに割り付け、3カ月間治療した。

 治療効果は2段階以上の改善を著効、1段階の改善を有効、変化なしを無効とした。ベースライン時の背景に両群で有意差はなかった。

疼痛を改善、骨折率が低下

 3カ月後の治療効果(著効と有効を足した総有効率)は、対照群の66.67%(著効11例、有効9例、無効10例)に対し、BP製剤群では96.67%(同19例、10例、1例)と有意に高かった(P<0.05)。

 McGill疼痛質問票による疼痛スコアは、対照群では治療前の5.91±2.21点から治療後には4.22±0.50点に低下したのに対し、BP製剤群では5.93±2.21点から1.14±0.32点に低下し、治療後の疼痛スコアが有意に低かった(P<0.01 )。

 骨折の発生率は、対照群の36.66%(大腿骨近位部骨折4例、脊椎骨折3例、その他の骨折4例)に対し、BP製剤群では6.66%(同1例、1例、0例)と有意に低かった(P<0.01)。

骨細胞増殖能、P1NPを改善

 大腿骨近位部の骨密度、オステオカルシン、血清カルシウム、血清リンは、いずれも治療後に対照群と比べBP製剤群で有意に増加した(全てP<0.01 )。

 治療後の骨細胞増殖能(骨芽細胞をアリザリンレッド染色しOptical density valueで数値化)は、対照群に比べBP製剤群で有意に改善した(P<0.01)。骨形成マーカーⅠ型プロコラーゲン-N-プロペプチド(P1NP)値は有意に低下した(P<0.01)。

 こうした結果を踏まえ、Weng氏らは「カルシウムサプリメントのみを摂取した対照群では、骨密度の増加が6.85%、治療効果は66.67%にとどまったことから、BP製剤などの強力な骨吸収抑制薬によるタイムリーな介入の重要性が示唆された。糖尿病性骨粗鬆症に対するBP製剤の早期導入は有効であり、臨床使用に値する」と結論。その上で、「今回は単施設研究でサンプルサイズが小さいため、バイアスは避けられない。今後、多施設で大規模な前向き研究を実施することで、より価値のある結論を導き出すことができる」と付言している。

(宇佐美陽子)