東京エレクトロン=2022年4~6月期の連結決算は増収減益。中国の新型コロナウイルス対策での都市封鎖に伴う物流の混乱で出荷に遅れが生じた。
 事業別売上高は、主力の半導体製造装置(SPE)が前年同期比6.0%増だった一方、フラットパネルディスプレー製造装置は31.8%減と大きく減少した。 
 SPEの売り上げは、欧米、台湾などが増加。アプリケーション別では、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)、不揮発性メモリーが減少した。
 22年通年の半導体製造装置市場については、前年比20%とみていた成長予測を5~15%に下方修正。大幅な為替変動の影響に加え、マクロ経済の減速を背景としたスマートフォンやパソコンの需要低下、部材不足や物流混乱のリスクなどを考慮した。
 23年3月期の連結業績予想に変更はない。7~9月期の新規SPE売上高は過去最高を見込む。河合利樹社長は決算説明会で、デジタル化や脱炭素化に向けた半導体の技術革新が進むとの見方から「調整の機運はあるが、中長期的な成長の見方は変更ない」と語った。(C)時事通信社