【ソウル時事】朝鮮中央通信は11日、北朝鮮の平壌で国家非常防疫総括会議が10日開かれ、金正恩朝鮮労働党総書記が新型コロナウイルス感染症の収束と「勝利」を宣言したと報じた。正恩氏の妹の与正党副部長も、コロナが韓国から脱北者団体が飛ばす体制批判のビラなどで流入したと主張し「強力な報復」を検討していると警告した。
 正恩氏はコロナの発生を認めた5月12日に決定した都市の封鎖などの「最大非常防疫態勢」の解除も指示した。勝利宣言は中国との貿易の回復を急ぐ狙いもあるとみられる。
 正恩氏は7月29日から感染が疑われる新たな発熱者が出ていないと説明。「ワクチン接種を1回も実施していない国」で短期間にウイルスを撲滅したのは「奇跡だ」と強調した。
 北朝鮮の統計について、国外の専門家は他国の感染拡大状況と比べて不自然な点が多いとして疑問視している。 (C)時事通信社