新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」は18日、全国の死亡者数について「これまでの最高値を超えてさらに増加することが懸念される」との見解をまとめた。医療提供体制のさらなる深刻化も想定されるとして感染対策の徹底を呼び掛けた。
座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は会合後の記者会見で、感染者の全数把握について「流行状況の把握から入院調整にも使われている。(委員から)全数把握は重要との意見も出た」と述べ、見直しに対して丁寧な議論を求めた。
会合では、感染研などが7月に医療機関を受診した1547人を調べたところ、オミクロン株の派生型「BA.5」に対する3回目のワクチン接種の有効性は接種後2週間から3カ月までは65%だったとする結果も示された。脇田氏は「一定程度の発症予防効果が示された」として3回目接種を促進する必要性も強調した。
同組織は、感染者数について「首都圏を中心に減少傾向にある」「一部地域ではピークを越えつつあるとの予測もある」と分析した一方、「早期に感染者数が減少しない限り医療提供体制の厳しい状況が継続する」と警鐘を鳴らした。 (C)時事通信社
死亡数「最高値超え」懸念=厚労省助言組織が見解―新型コロナ

(2022/08/18 21:41)