政府は2023年度、保育所や幼稚園などに通っていない未就園児に着目した支援に乗り出す。育児に困難を抱え、孤立しがちな家庭を訪問して保護者の相談を受け付けるなど、子どもへの虐待リスクを減らす対策を講じる。政府が未就園児家庭に特化した支援策を検討するのは初めて。23年4月に創設されるこども家庭庁を司令塔とし、体制を整える。
内閣官房は23年度予算概算要求に関連費用を計上する方針だ。
未就園児は、保育所や幼稚園、認定こども園などに通わず、家庭内で養育している子どものこと。全国で約182万人いると推計される。中には「就労状況」などの条件を満たさず、希望しても通園が認められないケースもあり、保護者が孤立し、子どもを虐待することへの懸念が指摘される。
ただ、未就園児家庭の実情は知られていないことも多い。政府は今年度、有識者や自治体などを対象とした初の実態調査に着手。年度内に具体的な支援策を詰める方針だ。
子育て支援などに取り組む認定NPO法人「フローレンス」が今年3月に行った調査では、未就園児家庭が「子育ての中で孤独を感じる」などと回答した割合は43.8%。保育所などに預けている家庭の33.2%と比べ、約10ポイント上回った。同法人は「全ての親子のセーフティーネット」として保育所を利用可能とするよう求めている。 (C)時事通信社
未就園児向け支援本格化=こども家庭庁で体制整備―政府
(2022/08/22 17:41)