REDUCE-ITは、心血管疾患またはそのリスクを有する8,179例を対象に、高トリグリセライド(TG)血症治療薬である高純度イコサペント酸(EPA製剤)の有用性を検証した国際共同二重盲検ランダム化比較試験。主解析では、スタチンにEPA製剤を上乗せすることで、主要評価項目とした複合心血管イベントのハザード比(HR)が25%低下したと報告されている。米・University of PennsylvaniaのMichael Miller氏らは今回、喫煙歴の有無別にEPA製剤の効果を検証した事後解析を実施。喫煙歴がある集団においても、EPA製剤の効果が認められたことをEur Heart J Cardiovasc Pharmacother(8月11日オンライン版)に発表した。

現喫煙者または過去喫煙者に層別し解析

 REDUCE-ITの対象は、スタチンによりLDLコレステロール(LDL-C)が41~100mg/dL(中央値75mg/dL)に管理されており、TGが150~499mg/dL (同216mg/dL)で、心血管疾患または糖尿病の既往および心血管の危険因子が1つ以上ある8,179例。スタチンに高純度EPA製剤4g/日を上乗せする群(EPA製剤群)とプラセボを投与するプラセボ群にランダムに割り付けた。主要評価項目は、複合心血管イベント(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、冠動脈血管再建術または不安定狭心症による入院のいずれか)の抑制効果とした。

 中央値で4.9年追跡した結果、主要評価項目の発生はEPA群17.2% vs. プラセボ群22.0%で、HR 0.75(95%CI 0.68~0.83、P<0.001)とEPA群で有意にリスクが低かった(N Engl J Med 2019; 380: 11-22)。

 今回の解析では、対象を現喫煙者(1,241例、EPA群628例、プラセボ群613例)、過去喫煙者(3,672例、EPA群1,857例、プラセボ群1,815例)、非喫煙者(3,264例、EPA群1,604例、プラセボ群1,660例)に分け、EPA製剤の効果を比較した。

 ベースライン時の主な患者背景は、非喫煙者と比べ現喫煙者では若く(中央値64歳 vs. 60歳)、BMI 30以上の肥満率(57.0% vs. 52.4%)、2型糖尿病有病率(64.6% vs. 52.2%)が低く、腎機能低下の割合(12.5% vs. 7.8%)は少なかったが、心血管疾患既往歴(61.3% vs. 77.0%)が多く、高感度CRP(2.1mg/L vs. 2.7mg/L)およびTG(210.5mg/dL vs. 224.5mg/dL)の中央値は高かった(全てP<0.0001)。

 また、現喫煙者においては、プラセボ群と比べEPA群でLDL-C値(80mg/dL vs. 76mg/dL、P<0.05)が低かった他は、治療薬も含めて有意差が認められた項目はなかった。

心血管イベントをプラセボ群の非喫煙者と同程度まで抑制

 解析の結果、現喫煙者と過去喫煙者の集団において、主要評価項目の複合心血管イベントの初発リスクは、プラセボ群と比べEPA群で有意に低く(HR 0.77、95%CI 0.68~0.87、P<0.0001)、全イベントリスクについても有意差が認められた〔率比(RR)0.71、95%CI 0.61~0.82、P<0.0001〕。この結果は、現喫煙者(P=0.05)、過去喫煙者(P=0.0002)に層別して解析しても同様だった。  

 心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中などの複合とした副次評価項目についても、初発イベント(HR 0.77、95%CI 0.66~0.89、P=0.0006)、全イベント(RR 0.74、95%CI 0.62~0.88、P=0.0006)とも、EPA群における現喫煙者+過去喫煙者の集団で有意にリスクが低かった。

 また、心血管死または非致死的心筋梗塞リスクを現喫煙者、過去喫煙者別に見ると、現喫煙者ではプラセボ群と比べEPA群でHR 0.74(95%CI 0.56~0.99、P=0.04)、過去喫煙者では同0.77(0.64~0.92、P=0.005)と有意に低かった。同様に致死的または非致死的心筋梗塞リスクを両群で比較すると、現喫煙者ではHR 0.60(95%CI 0.41~0.88、P=0.009)、過去喫煙者では同0.74(0.59~0.93、P=0.01)と、喫煙歴があってもプラセボ群に対しEPA群で良好な結果が得られていた。  

 EPA群の良好な結果は非喫煙者の集団でも同様に得られており、喫煙歴の有無にかかわらずEPA製剤の効果が示唆された。喫煙歴別に見た両群における主要評価項目の複合心血管イベントの発生率は、プラセボ群の非喫煙者の集団25.7%、過去喫煙者の集団30.0%、現喫煙者の集団30.4%に対し、EPA群ではそれぞれ19.6%(P<0.0001)、23.0%(P=0.0002)、23.8%(P=0.05)と有意に低かった。

 以上の結果を踏まえ、Miller氏は「EPA製剤を服用することで、現喫煙者の集団および過去喫煙者の集団における心血管イベントの発生を、プラセボ群の非喫煙者の集団と同程度まで抑制できた」とまとめた。

(編集部)

修正履歴(2022年8月31日):投与量の単位表記を修正しました