関節リウマチ(RA)は女性に多い疾患だが、治療効果にも性差が見られるようだ。スウェーデン・Karolinska University HospitalのKristina Lend氏らは、早期RA患者を対象に3種類の生物学的製剤+メトトレキサートと積極的従来治療の24週後における寛解率を検討した多施設共同医師主導評価者盲検第Ⅳ相ランダム化比較試験NORD-STARにおける性差に着目したpost hoc解析を実施。その結果、治療法にかかわらず女性より男性の寛解率が高いこと、インターロイキン(IL)-6阻害薬トシリズマブでのみ性と治療効果に交互作用が示唆されたことをLancet Rheumatol (2022年8月23日オンライン版)に報告した。

主解析ではアバタセプトが高い寛解率示す

 NORD-STAR試験の対象は、症状の持続期間が24カ月未満で疾患活動性が中等度〜重度、リウマトイド因子/抗シトルリン化蛋白質抗体陽性、またはC反応性蛋白の上昇を伴う18歳以上の未治療RA患者812例。ベースラインのメトトレキサートに加えて、①積極的従来治療〔経口プレドニゾロン20mg/日で開始し9週間で5mg/日に漸増、またはサラゾスルファピリジン2g/日+ヒドロキシクロロキン35mg/kg・週または200mg/日、外来受診時に全ての腫脹関節にステロイド注射〕、②セルトリズマブ200mg隔週皮下注、③アバタセプト125mg毎週皮下注、④トシリズマブ8mg/kgを4週ごとに静注または162mgを毎週皮下注―の4群に1:1:1:1でランダムに割り付けた。

 主な患者背景は平均年齢±標準偏差が54.3±14.7歳、女性が68.8%、男性が30.2%、ベースライン時の28関節の疾患活動性スコア(DAS28)は5.0±1.1だった。積極的従来治療群217例、セルトリズマブ群203例、アバタセプト群204例、トシリズマブ群188例だった。

 主要評価項目は24週後の臨床疾患活動性指数(CDAI)の寛解(2.8以下)とし、副次評価項目として12週以降のCDAI寛解や安全性などが検討された。主解析においては、3種の生物学的製剤治療群および積極的従来治療群のいずれも高い寛解率が得られ、アバタセプト群では積極的従来治療群に比べ高い寛解率が認められたことが報告されている(BMJ 2020; 371: m4328)。

トシリズマブ治療群女性の寛解率は低い

 今回のpost hoc解析では、CDAIの経時的変化および24週時点の性差を主要評価項目とし、積極的従来治療群を基準とし各治療群における性差を評価した。

 24週時点のCDAI寛解率は、いずれの治療群においても女性よりも男性で高かった(男女別寛解率:積極的従来治療群55% vs. 50%、セルトリズマブ群57% vs. 52%、アバタセプト群65% vs. 51%、トシリズマブ群61% vs. 40%)。ただし、積極的従来治療群を基準とした解析で有意な男女差が認められたのはトシリズマブ群のみで(交互作用のP=0.015)、トシリズマブ群の男性では積極的従来治療群の男性よりも経時的なCDAI寛解率が高かった(CDAIの平均限界調整確率0.12、95%CI 0.00〜0.23)。一方、トシリズマブ群の女性は積極的従来治療群の女性よりも寛解率が低かった(同−0.05、−0.13〜0.02)。

 以上から、Lend氏らは「全ての治療群において女性より男性で高い寛解率が観察されたことから、この性差は治療とは関係しないと考えられる。ただし、積極的従来治療との比較においてIL-6阻害薬トシリズマブでは寛解率に有意な性差が認められたため、IL-6阻害薬に特有の性差と効果の交互作用が存在することが示唆された」と結論している。

編集部