画面越しのオンライン面会や遠隔勤務でも、他人と同じ場所にいるような臨場感のあるやりとりを可能にする新サービスが続々と登場している。新型コロナウイルス感染拡大を機に広がったビデオ会議システムなどではコミュニケーションの物足りなさが課題となっており、新サービスでは人との結び付きや何気ない会話を促す雰囲気づくりを狙う。
 ソニーグループの研究開発プロジェクトが分離・独立した新会社MUSVI(ムスビ、東京)は20日、等身大の映像と音声を通じ同じ空間にいるように感じるコミュニケーション装置「窓」の事業化を発表した。55インチの大型縦長画面に互いの姿を映し出し、周囲の音も自然に伝わることで気配まで察することができる。
 企業の拠点間の共同作業や、医療・介護施設での面会やリハビリ指導に導入されている。阪井祐介最高経営責任者(CEO)は「リアルでもバーチャルでもある新しい世界を開く」と意気込む。
 2020年設立のベンチャー企業、oVice(オヴィス、石川県七尾市)は、コロナ禍をきっかけに企業向け仮想オフィスの運営を始めた。ウェブ上で自分のアバター(分身)を近づけて同僚に話し掛けられる。アバター同士が近づくと音量が大きくなり遠ざかると小さくなる仕掛けで、偶然聞こえてきた会話にも参加できる。
 今年8月末時点で約2200社が利用し、毎朝約6万人が仮想オフィスに「出社」している。ジョン・セーヒョンCEOは「ニーズはコロナ対策というより、デジタルトランスフォーメーション(DX)に移っている」と指摘する。 (C)時事通信社