京都大のiPS細胞研究所と医学部付属病院は30日、血小板を作る機能が失われた上、輸血した血小板を破壊する免疫のある患者に対し、患者のiPS細胞から作製した血小板を輸血した臨床研究の結果、安全性が確認されたと発表した。論文は16日と23日の米血液学会誌に掲載された。
 臨床研究は2019年3月に開始。患者のiPS細胞から作製した血小板を量を増やしながら3回に分けて輸血し、経過観察を1年間続けていた。3回の輸血時や経過観察終了後も異常はなく、安全性が確認されたという。
 iPS細胞研究所の江藤浩之教授は「献血に依存しない輸血の実現を目指して研究を進めたい」と意欲を示した。医学部付属病院の高折晃史教授は「輸血量を増やした臨床研究を行い、有効性を検証したい」と話している。 (C)時事通信社