カルシウム拮抗薬ニフェジピン(商品名アダラート)の徐放製剤(CR錠)を割ったり噛み砕くなど、誤った方法で服用する事例が報告されている。製造販売元のバイエルは医療関係者に対し、患者に対する服薬指導の徹底を呼びかけている。
急激な血中濃度の上昇や重篤な副作用発現を招く恐れ
同薬のCR錠は徐放性を持つ周辺部分と速放性を持つ中心部分の二重構造を有しており(図)、服薬回数の減少や血中濃度の急上昇の抑制による副作用発現の減少を目的として開発された。
図. ニフェジピンCR錠の構造
(バイエルリリースより)
しかし、同社社内資料や日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業によると、分割や粉砕、噛み砕くなどの誤った方法で服用する事例が報告されているという。
誤った服用方法は血中濃度の急激な上昇や重篤な副作用発現を招く恐れがある。同社は医療関係者に対し、「同薬のCR錠を割ったり噛み砕いたりせずそのまま服用するよう、服薬指導を徹底していただきたい」と呼びかけている。
(編集部)