スウェーデンのカロリンスカ研究所は3日、2022年のノーベル医学生理学賞をドイツ・マックスプランク研究所のスバンテ・ペーボ博士(67)に授与すると発表した。ペーボ氏は絶滅したネアンデルタール人の細胞核のDNAを解読したほか、近縁の「デニソワ人」を発見した。
 スウェーデン人のペーボ氏は、発掘された骨などの形態からの研究が主だった古人類学にDNA解析の手法を導入し、ネアンデルタール人のDNA解読に成功。現生人類(ホモ・サピエンス)と比較した結果、ネアンデルタール人が現生人類とも数万年間共存し、交雑していたことなどを明らかにした。
 また、08年にロシア南部アルタイ山脈の「デニソワ洞穴」で見つかった3万~5万年前の小指の骨のDNAを解析し、10年にはこの人骨がネアンデルタール人と近縁だが異なると突き止め、デニソワ人と名付けた。
 カロリンスカ研究所は授賞理由の説明で、「ペーボ氏の画期的な発見は、人類を人類たらしめている遺伝的特徴について理解を深める基礎を提供した」とたたえた。
 ペーボ氏は16年に慶応医学賞、20年に日本国際賞を受賞。同年から沖縄科学技術大学院大(沖縄県恩納村)の客員教授を務めている。
 ノーベル賞授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれ、賞金1000万スウェーデンクローナ(約1億3000万円)が贈られる。 (C)時事通信社