新型コロナウイルスなど感染症の流行時に、感染が疑われる宿泊客の受け入れ拒否を可能にするため、政府は7日、旅館業法改正案を閣議決定した。旅館やホテルは、正当な理由なくマスク着用などに応じない客の宿泊を拒否できるようにする。感染対策に万全を期し、客に安全・安心な環境を提供するのが狙い。
 現行法では、原則として施設側は客の宿泊を拒んではならない。感染症にかかっていることが明らかなケースは拒否できるが、発熱やせきなどの症状のみでは拒めないため、業界団体が見直しを求めていた。
 改正案では、感染症の流行時、旅館やホテルはマスク着用や検温などの感染防止策を宿泊客に要請。発熱など症状が見られる客に対しては、医療機関の受診や感染の有無について報告を求め、正当な理由なく従わない場合は宿泊を拒否できる。
 宿泊者名簿の記載事項も改正し、感染経路の調査で必要となる電話番号など「連絡先」の記入を求める。「職業」は調査する上で不要として記入欄を削除する。
 また、2003年に熊本県のホテルがハンセン病療養所入所者の宿泊を拒否する問題が生じたことなどを踏まえ、拒否できる対象を感染症法上入院が必要とされる疾病に限定。従業員の研修を努力義務として盛り込み、差別防止を徹底する。 (C)時事通信社