【上海時事】中国で国慶節の連休期間(1~7日)中、四川省アバ・チベット族チャン族自治州にある世界遺産の景勝地「九寨溝」を訪れた観光客がわずか211人だったと、中国メディアが11日報じた。大型連休には例年、大勢の観光客が押し寄せるが、今年は厳しい新型コロナウイルス感染対策が導入され、閑古鳥が鳴いた。
 同自治州は来訪者に、出発前の5日間で3回、到着後の3日間で3回のPCR検査を義務付け、それまでは入場券を購入すらできない。こうした面倒な手続きがあるため、多くの観光客が訪問を断念したとみられ、連休初日の来訪者は1人だけだった。昨年同期の観光客は17万人を超えていた。
 今年の国慶節連休は、16日に中国共産党大会の開幕を控えていることもあり、中国各地で厳格な防疫対策が導入された。このため、チベット自治区や新疆ウイグル自治区、雲南省、海南島などの有名観光地でも、省・自治区外からの観光客が激減した。 (C)時事通信社