東京都は、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備え、両ウイルスの感染の有無を一度に確認できる抗原検査キットを約30万回分確保する。希望する医療機関に有償で配布。11月以降、新型コロナの診察や検査を行う医療機関を対象に申し込みを受け付ける。
新型コロナとインフルは症状では見分けがつきにくいとされ、同時流行で患者が発熱外来などに殺到した場合、医療が逼迫(ひっぱく)する恐れがある。検体を一度採取すれば両ウイルスを同時に確認できる検査キットを使うことで、患者の診察にかかる時間を短縮し、医師らの負担軽減につなげる。
厚生労働省の専門家組織は、来年春にかけて同時流行の可能性が「極めて高い」と指摘。ただ、同省が承認した同時検査キットはOTC(一般用医薬品)化をしていないため、薬局での購入や自治体による家庭への配布はできない。そこで都が一定数を確保し、医療機関に提供することにした。
感染「第7波」の際には抗原検査キットが不足し、一部の医療機関で調達できない事態が生じており、都の担当者は「医療機関の不安を解消し、感染流行時に混乱が生じないようにしたい」と話している。 (C)時事通信社
同時検査キット30万回分確保へ=コロナ、インフル流行に備え―東京都

(2022/10/13 04:42)