手軽にバランスよく栄養が取れる食品が増えている。消費者の健康志向はコロナ禍で一段と高まったが、毎食献立を考えるのに苦労している人は少なくない。こうしたニーズに応えようと、食品メーカー各社は、おいしさを兼ね備えた栄養強化食品の開発に力を入れている。
キッコーマンは、丼物や麺類など、主食1品のみで食事を済ませるニーズに着目。新しい主食の提案として、不足しがちなたんぱく質が摂取でき、低糖質な「大豆麺」シリーズを8月に発売した。大豆粉と小麦粉をブレンドした麺で、「おいしさと健康の両立にこだわった」(商品担当者)という。スープやソース付きで、味付けに悩まずに済む手軽さもアピールする。
必要な栄養素を1食に詰め込んだ「完全栄養食」も続々と登場している。日清食品は、油そばなどの「完全メシ」シリーズを5月に自社通販サイトで発売。冷凍のかつ丼や牛丼などの新商品も投入、一部商品はスーパーなどでも展開し始めた。
ベースフードは「BASE FOOD」ブランドで、必要な栄養素が入ったパンやクッキー、パスタを定額で毎月届けるサービスを展開している。会員数は30万人を超え、コンビニエンスストアなどでの販売も好調だという。
企業の垣根を越えた商品展開も始まっている。明治は、「乳たんぱく質」を効率よく摂取できる食品を「TANPACT(タンパクト)」ブランドで販売。伊藤ハムや山崎製パン、マルハニチロが明治の取り組みに賛同して同じブランドで商品を発売し、シリーズの食品は菓子やパン、プリンなど幅広いジャンルの30品超に広がっている。 (C)時事通信社
栄養食、おいしく手軽に=コロナ禍で健康志向高まる

(2022/10/17 05:11)