18日に開幕するデジタル技術展示会「シーテック」では、世界的な脱炭素の潮流を背景に、電気自動車(EV)や再生可能エネルギーなどに関する技術が主役となる。17日に報道機関向けに先行公開された幕張メッセ(千葉市)の会場では、出展各社はコロナ禍で注目度が高まったオンライン上の仮想空間「メタバース」の体験もアピールした。
ソニーグループは、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)」向けに開発中の気候変動シミュレーションができるアプリを出展する。「仮想現実(VR)技術を使って気候変動の深刻さを理解してもらう」(広報担当)のが狙いで、来年の無料配信を予定している。
同社はこのほか、今年1月に米国で発表したスポーツ用多目的車(SUV)タイプの試作EVも展示。日立製作所や東芝、三菱電機などインフラを担う電機大手は、電力の効率利用や二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた取り組みなどを紹介する。
米メタ(旧フェイスブック)を中心に各企業が集まって、メタバースの世界観を体験できるコーナーも登場。国際宇宙ステーション(ISS)の位置情報と連携して宇宙飛行士の視点が味わえるVR空間などが来場者の目を引きそうだ。
岸田文雄政権が掲げる「デジタル田園都市国家構想」も今年のテーマの一つ。シーテックのエグゼクティブプロデューサーを務める鹿野清氏は記者会見で「地方自治体と企業がデジタル技術を導入して実現した課題解決策を紹介する」と意気込みを語った。 (C)時事通信社
脱炭素・メタバースが主役=仮想現実の技術活用―シーテック

(2022/10/17 18:42)