政府は18日、国民年金の保険料納付期間を現行の40年間から5年延長して45年間とする案を議論する方針を決めた。実現すれば、20歳から始まる納付の対象者は現在の「60歳未満まで」から「65歳未満まで」となる。財源を確保することで、少子高齢化に伴う年金の給付水準低下を抑制し、高齢者の生活保障につなげる狙いだ。
月内に始動する社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の年金部会で議論する。2024年に結論を出した上で、25年の通常国会での法改正を目指す。
公的年金は、自営業者を含む全ての人が国民年金に加入し、会社員や公務員は報酬に応じて給付額が決まる厚生年金にも入る仕組み。22年度時点では、国民年金の保険料は月1万6590円で、40年間納付すると月約6万5000円が支給される。
制度を巡っては、年金を受け取る高齢者が増え、保険料を納める若い世代が減る中でも制度を持続させるため、給付水準を徐々に抑える「マクロ経済スライド」を実施している。これにより、特に国民年金のみを収入源とする高齢者の生活が苦しくなると予想される。
政府は5年に1度、年金制度の健全性を確かめる「財政検証」を実施し、見直しに生かしている。次期検証は24年に予定されており、保険料納付期間の延長も併せて議論すべきだと判断。実現により、給付水準低下の抑制を目指す。
一方で、自営業者や60歳までに退職した元会社員らにとっては、保険料負担が増えることになり、反発も予想される。企業の雇用延長で65歳まで働く人は現在も保険料を納付しており、影響は生じない見通し。 (C)時事通信社
保険料納付、5年延長を検討=国民年金、65歳未満まで―政府

(2022/10/18 14:23)