辞任した山際大志郎氏の後任に就いた後藤茂之経済再生担当相は、総合経済対策の策定や「新しい資本主義」の具体化など山積する課題に着手する。いずれも、岸田政権の浮沈を左右する重要課題。物価高への早急な対応やコロナ禍からの経済回復が求められる中、司令塔となる後藤氏の手腕が早速問われることになる。
当面の焦点は、物価高対策などの総合経済対策。政府はもともと、今月28日にも対策を決定し、11月に財源の裏付けとなる補正予算案を国会に提出する方針だった。食料やエネルギーなど生活必需品の相次ぐ値上げに国民が苦しむ中、閣僚の辞任劇で対策に遅れが出ることは許されない状況だ。
後藤氏は25日昼、官邸で記者団に「私も(自民)党の側にいて政策の提言や調整に関わっていた。丁寧にキャッチアップして進めていきたい」と述べ、予定通り今月中に経済対策を取りまとめる考えを強調した。
年末に向けても、重要課題が目白押しだ。後藤氏は新しい資本主義や、スタートアップ育成などの担当相も兼ねる。年末までに策定するスタートアップの育成計画や資産所得倍増プランは政権の目玉政策。防衛費の大幅増額が焦点となる2023年度予算編成に向けても、岸田首相を議長とする経済財政諮問会議の担当相として、財政健全化との両立が求められる。
後藤氏は旧大蔵省の出身で、税制や社会保障にも明るい「政策通」とされる。8月まで厚生労働相としてコロナ対応に当たった経験もあり、内閣府幹部は「山積する政策課題に即戦力として対応いただける。大変心強い」と歓迎する。経済対策からコロナまで、幅広い課題に短期間でどう対応するのか注目される。 (C)時事通信社
山積する重要課題=経済対策へ問われる手腕―後藤経済再生相

(2022/10/25 19:46)