歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(44)が31日、東京・歌舞伎座で開かれた特別公演で十三代目市川團十郎白猿を襲名した。歌舞伎界の大名跡「團十郎」の復活は、海老蔵さんの父の十二代目が2013年に亡くなって以来9年ぶり。襲名は当初、20年に予定していたが、コロナ禍の影響で延期されていた。
 公演では、11月7日からの襲名披露興行に出演する俳優らが一堂に会する吉例行事「顔寄せ手打式」を実施。海老蔵改め十三代目團十郎さんは「歌舞伎のために生きられる團十郎となれるよう、日々精進、努力する覚悟でございまする」とあいさつ。壇上の俳優らと観客が一本締めをし、襲名を祝った。また、長男の堀越勸玄君(9)も同時に、八代目市川新之助を襲名した。
 その後、新團十郎さんは坂東玉三郎さん、片岡仁左衛門さんらと共に、團十郎家の芸「歌舞伎十八番」から「勧進帳」を披露。武蔵坊弁慶役で、十三代目團十郎として初めての舞台を勤めた。 (C)時事通信社