三菱ケミカルグループ=2023年3月期連結業績(国際会計基準)見通しのうち、営業利益と純利益を下方修正。基礎化学原料のMMAの市況下落や、傘下の田辺三菱製薬(大阪市)子会社のメディカゴ(カナダ)による新型コロナウイルスワクチンの実用化が見通せていないことなどを織り込んだ。 
 売上収益は4兆7250億円(従来予想4兆4360億円)に上方修正。円安の進行や価格転嫁が寄与する見込み。
 22年9月中間連結決算は増収減益。売上収益は前年同期比約2割増の2兆2698億円で、半期として過去最高を更新。コア営業利益は約2割落ち込み、素材を扱うケミカルズセグメントでは395億円の減益となった。
 主にアクリル樹脂原料となるMMAは、原燃料価格上昇によるコスト増に加え、欧州やアジアでの需要減が響いた。中平優子最高財務責任者(CFO)はオンライン会見で「MMAは今のところは来年度から回復するとみている」と述べた。(C)時事通信社