武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長は12日までにインタビューに応じ、同社が開発し、インドネシアで承認を受けたデング熱ワクチン「QDENGA」について、将来的に日本でも承認申請する方針を明らかにした。
 ウェバー社長は「まずブラジル、フィリピンなどの流行国を優先する」とした上で、その後日本でも「ヨーロッパと同じような形で、旅行者を対象とした承認を取っていきたい」と語った。
 QDENGAは、感染歴などの事前検査が不要な世界初のデング熱用ワクチン。8月にインドネシアで初めて承認され、中南米、東南アジアの他の流行国などで承認申請中だ。
 デング熱は蚊が媒介する感染症で、熱帯、亜熱帯地域を中心に発生。世界の人口の約半数は感染可能性のある地域に住む。ウェバー社長は「ワクチンは必ず適正価格で患者に届ける」と述べ、供給国の経済力に応じて価格を設定し、普及を目指す考えを示した。 (C)時事通信社