昨日(11月14日)は世界糖尿病デー。全国各地のランドマークや医療施設など、約200カ所で糖尿病のシンボルカラーであるブルーライトアップが実施された。大阪城天守閣もその1つ。今年(2022年)のテーマである糖尿病への偏見撲滅を訴えた(関連記事「糖尿病のスティグマ撲滅、まず言葉から」)。
19日まで全国糖尿病週間
世界糖尿病デーは、国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)が1991年に、増加する糖尿病の脅威に対応するために創設したもの。2006年に公式な国際連合の日として認定され、世界各地でブルーライトアップなどのイベントが実施されている。
国内でブルーライトアップが行われたのは、大阪城の他に、札幌市時計台、横浜マリンタワー、姫路城、出雲大社、太宰府天満宮など。今年のシンボルライトアップは、第66回日本糖尿病学会(2023年5月11~13日)の開催地である鹿児島市のアミュプラザ鹿児島の観覧車アミュランとなった。
日本糖尿病学会と日本糖尿病協会で組織する世界糖尿病デー実行委員会は、今年の世界糖尿病デーのテーマとして「偏見にNO!糖尿病をもつ人はあなたと同じ社会で活躍できる人です」を掲げた。その背景には、糖尿病を理由に就職や結婚、生命保険の加入などで不利益を被る「社会的スティグマ」、社会的スティグマを恐れて糖尿病であることを隠したり、治療を放棄したりする「自己スティグマ」、医療者が糖尿病のある人を厳しい言葉でとがめる「乖離的スティグマ」が蔓延している現実がある(関連記事「変わる糖尿病像とアドボカシー」)。世界糖尿病デーの取り組みは、こうしたスティグマに対抗するアドボカシーの一環として行われた。
なお、世界糖尿病デーを挟む11月11~19日は第58回全国糖尿病週間。糖尿病に対するスティグマに真摯に向き合いたい。
(平田直樹)