医薬基盤・健康・栄養研究所などのプロジェクトチーム(PT)は25日、ヒトの成人は1日で総水分量の平均約10%を代謝によって体外に失っていることを突き止めたと発表した。代謝量は運動能力や年齢、居住環境などによって個人差が大きいが、推測できる計算式も開発した。研究成果は米科学誌サイエンスに掲載された。
 PTは、通常より重い水素と酸素を含む水を飲んでもらい、尿を分析すれば、水分の代謝量を測定できることに着目。過去に実施した調査のビッグデータを集め、23カ国の生後8日から96歳までの男女計5604人の結果を調べた。
 分析の結果、成人男性が平均的に体内に保持している水分40リットル程度のうち、20~35歳は平均4.2リットルを1日で失っていた。代謝量は高齢者や体重の軽い人では少なく、発展途上国や標高の高い地域に住む人は多かったことから、こうした条件を組み込んで計算式を完成させた。
 計算式は平均的な人には当てはまるが、代謝量が極端に多かったり少なかったりする人もいるため、さらに研究が必要という。同研究所運動ガイドライン研究室の山田陽介室長は「水分不足が積み重なると、認知症や脳の障害につながることも考えられる。心臓や腎臓への負荷などと合わせ、関連を調べたい」と話した。 (C)時事通信社