新型コロナウイルスのオミクロン株のうち、今後の感染拡大が懸念される新系統「BQ.1.1」と「XBB」に対し、国内で承認されている抗ウイルス薬3種はいずれも有効とする実験結果を、東京大などのチームが発表した。論文は8日、米医学誌電子版に掲載された。
 東大医科学研究所の河岡義裕特任教授らは、患者から分離したBQ.1.1株とXBB株をサルの培養細胞に感染させ、ウイルスの増殖を防ぐ抗ウイルス薬の有効性を分析した。その結果、点滴薬レムデシビルと飲み薬のモルヌピラビル、パキロビッドの有効性は、現在主流のBA.5などに対する効果と同程度だった。
 一方、細胞への感染を抑える抗体薬では、国内で承認されているソトロビマブとロナプリーブ、エバシェルドの効果は、BA.5などに対するものより大幅に低下していた。河岡特任教授は「抗体薬の有効性は低下したが、抗ウイルス薬の有効性に変わりはない」と指摘している。 (C)時事通信社