国立水俣病総合研究センターは16日、水俣病の原因であるメチル水銀が脳に与える影響を客観的に診断する手法を開発し、熊本県水俣市内で報告会を開いた。この手法で調べたところ、認定患者の8割に異常所見が見られたといい、環境省は「精度は一定の段階に到達した」とみている。同省はこれを受け、住民への健康調査の方法や実施時期を検討する。
 2009年7月に成立した水俣病特別措置法では、政府は新潟、熊本両県などをはじめとする水俣病発生地域で、メチル水銀の影響に関する住民の健康調査を行うと規定。同センターは客観的な診断方法を研究していた。
 新たな診断方法は、MRI(磁気共鳴画像装置)と、脳に発生する磁気を計測する脳磁計を用いた2種類。認定患者30人を調べたところ、24人(80.0%)にいずれかまたは両方で異常所見が見られた。 (C)時事通信社