厚生労働省は23日、2021年度の高齢者虐待に関する調査結果を公表した。特別養護老人ホームなど施設の職員らが加害者だった件数は前年度比24.2%増の739件で、07年度の調査開始以来最多となった。新型コロナウイルスの感染拡大で難しかった自治体による訪問調査が、21年度には行える環境になったことなどが影響したとみられる。
 施設職員らによる虐待で特定できた被害者は1366人。複数回答で、暴行や身体拘束など「身体的虐待」が51.5%と最も多く、次いで暴言など「心理的虐待」が38.1%だった。
 一方、介護する家族や親族らが加害者となる件数は同4.9%減の1万6426件で、2年ぶりに減少に転じた。ただ厚労省の担当者は「微減にすぎず、高止まりしている」と説明している。 (C)時事通信社