北海道江差町の社会福祉法人「あすなろ福祉会」が運営する知的障害者支援施設で、同居や結婚を希望する利用者が不妊処置を受けていた問題で、旧優生保護法被害弁護団が23日、「不妊処置を受け入れるかの選択を迫るのは憲法の精神を踏みにじる」との抗議声明を発表した。
 声明は「いかなる理由があろうとも特定の人から子供を産み育てる権利を奪うのは正当化し得ない」と強調し、不妊処置を条件としないよう求めた。
 東京都内で記者会見した弁護団の新里宏二共同代表は「優生保護の考え方が世の中に残っていると痛感した。国が向き合って根本を変える必要があるのではないか」と指摘した。訴訟支援団体のメンバーで、視覚障害のある藤原久美子さんは「自分も中絶を勧められたことがある。障害者の子育てを支援する制度が整っていないことも問題だ」と述べた。 (C)時事通信社