【北京時事】中国税関総署が13日発表した2022年の輸入は、前年比1.1%増の2兆7160億ドル(約350兆円)だった。伸び率は前年(30.0%増)から大幅に鈍化。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済の混乱で、内需が低調だった。
 輸出は7.0%増の3兆5936億ドルと、輸入同様に前年(29.6%増)から大きく減速。世界的な景気悪化に伴う外需の冷え込みも押し下げ要因となった。この結果、輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は8776億ドルだった。
 中国では22年、厳格な移動規制でコロナの感染拡大を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策に基づき、上海市など各地でロックダウン(都市封鎖)が実施された。秋には各地で工場の操業が停止し、個人消費も低迷。12月にはゼロコロナが見直されたものの、今度は感染者数が急増し、経済の混乱が続いた。
 ただ、22年は輸出額、輸入額、貿易黒字ともに前年に続き過去最高を更新した。中国の感染状況は落ち着きつつあり、23年は景気回復が予想されている。内需が改善し、貿易額のさらなる増加も期待できそうだ。 (C)時事通信社